CBR試験の目的ってなんなの?
なんで単位が%なの?
CBR試験のイメージができない。
上記のような悩みに答えられるように、この記事を書きました。
私は、現役のCBR土質試験技術者です。
現場監督さんから質問があったCBRの疑問を解説したいと思います。
本記事で得られるメリットは以下のとおりです。
- CBR試験の目的が理解できます。
- CBR試験の考え方が理解できます。
目次
CBR試験とは?【CBR試験の目的を分かりやすく解説】
CBR試験の目的
CBR試験は、舗装設計に利用する
CBR試験の目的は、「舗装設計を行うため」です。
舗装は、CBRの値によって厚さが決まります。
例えば、CBRの値が大きければ舗装を薄く設計できます。
反対に、CBRの値が小さければ舗装を厚く設計しなければなりません。
CBRの値は、地盤が良好か軟弱かで決まります。
一般的には、粘性土はCBRが低く、砂礫はCBRが高いです。
CBR値の目安
CBR値の目安は以下の通りです。
3%未満 :悪い
3%以上~6%未満 :中の下
6%以上~12%未満 :中の上
20%以上 :良い
上記の目安は、あくまでイメージです。
CBRの試験方法
CBRの試験方法は、以下のように行います。
試験は、主に3段階に分けて行います。
1、突固め試験
2、吸水膨張率試験
3、貫入試験
1、突固め試験
・現場で採取した土を用意する。
・最大粒径37.5mmのふるいをかける。
・φ150mmのモールドを用意する。
・4.5kgのランマーを、45cmの高さから67回落下させる。
・上記を3層に分けて繰り返す。
2、吸水膨張率試験
・供試体を4日間水浸させる。
・膨張量(変化量)を読み取る。
3、貫入試験
・1mm/minの速さでピストンを貫入する。
・貫入量が0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、4.0mm5.0mm、7.5mm、10.0mm、12.5mmの時の荷重を読み取る。
CBR試験で最も重要な部分
最も重要な部分を解説します。
上図をご覧ください。
・直径5cmの金属棒(ピストン)を締固めた土に貫入する。
・2.5mmと5.0mm貫入した時の荷重を読み取る。
CBR試験の計算方法
計算方法
以下は、CBRの計算式です。
CBR= 試験で求めた荷重 ÷ 標準荷重 × 100 [%]
試験で求めた荷重:2.5mmと5.0mm貫入した時の荷重
標準荷重 :あらかじめ決まっているCBR値で以下の通り
2.5mm
標準荷重 13.4(kN)
標準荷重強さ 6900(KN/m2)
5.0mm
標準荷重 19.9(kN)
標準荷重強さ 10300(KN/m2)
単位が%の理由
CBRは、単位が「%」です。
CBR試験の値が%の理由は、「試験で求めた荷重」と「標準荷重」を「比べた数値」だからです。
つまり、標準荷重に対して試験した土はどのくらいの強さを持っているのか?という事です。
以下の計算例をご覧ください。
計算例
貫入量2.5mmの計算例
・CBR3%の場合
試験で求めた荷重:0.402KN
標準荷重 :13.4KN
0.402÷13.4×100=3(%)
・CBR20%の場合
試験で求めた荷重:2.68KN
標準荷重 :13.4KN
2.68÷13.4×100=20(%)
貫入量5.0mmの計算例
・CBR3%の場合
試験で求めた荷重:0.597KN
標準荷重 :19.9KN
0.597÷19.9×100=3(%)
・CBR20%の場合
試験で求めた荷重:3.98KN
標準荷重 :19.9KN
3.98÷19.9×100=20(%)
CBR試験の目的のまとめ
いかがでしたでしょうか?
CBR試験について理解が深まりましたか?
今後も皆様のお仕事のお役に立てる記事を書いていきます。
大変分かりやすくイメージが沸きました。
ありがとうございます。