現場密度試験の頻度についての考え方

現場密度試験 頻度

現場監督
現場監督
  • 現場密度試験ってどのくらいの頻度でやればいいの?
  • 品質管理基準を見たけど、試験の回数が分かりにくい。
  • 品質管理基準に出てくる用語が似ていて分かりにくい。
  • 1ロット?1孔?1回?1工事?どういう事?

本記事は、上記のような悩みに答える記事です。

分かることは以下のとおり。

  • 現場密度試験の頻度についての考え方が分かります。
  • 品質管理基準に書いてある現場密度試験の用語について理解できます。
  • 段階確認、検査の時に発注者から頻度について質問されても適切に答えられます。

筆者は、現役の現場密度試験技術者です。

実務でよく聞かれる現場密度の頻度について記事にしたので、現場監督さんのお役に立てれば幸いです。

目次

現場密度試験の頻度についての考え方

現場密度試験の用語を理解する

現場密度試験の用語は、1孔(あな)、1個、1ロット、1回、1工事と単位が複数あります。
各単位ごとに解説します。

1孔(あな)の考え方

1孔(あな)は、現場密度試験の1つの穴の事です。

1個の考え方

1個は、1孔(あな)と同じ意味です。
1個=1孔(あな)

1ロットの考え方

ロットの意味
ロットとは、「施工数量に対して品質管理を行うための単位」という事。
分かりにくいため、以下に例を示します。


10000m2以下(施工数量)を1ロット(単位)とし、1ロットあたり10孔で測定する。

1ロットの注意点

1ロット=10孔 ×

1ロットあたり10孔 〇

1ロットあたりの孔の数は、管理者の基準で決まります。

1回の考え方

1回=3孔(あな)

1工事の考え方

例:1工事当たり3回以上の場合

1回=3孔なので

1工事=3孔×3回=9孔

となる。

最小単位は1孔で考える。

単位の解釈は、上記の通りです。
単位が複数あるため、筆者も混乱する事があります。
そのため実務では、伝え間違いを防ぐために最小単位の1孔(あな)で話すように心がけています。

例えば

上層路盤の場合、1ロットあたり10孔です。

ですが実務をしていると、1ロット=3孔として話をしている場合があります。

道路土工の場合は、1回=3孔のため数量を間違えることはありません。

上層・下層路盤の場合は、間違いの原因になります。

現場密度試験の頻度の例

国土交通省品質管理基準 下層路盤の頻度の考え方

国土交通省土木施工管理基準 品質管理基準及び規格値(案)では、試験基準を下記のように示しています。

下層路盤の頻度

・1工事あたり3,000m2を超える場合は、10,000m2以下を1ロットとし、1ロットあたり10孔で測定する。

 3,001~10,000m2:10孔
 10,001m2以上の場合、10,000m2毎に10孔追加し、測定箇所が均等になるように設定すること。
 例えば12,000m2の場合:6,000m2/1ロット毎に10孔、合計20孔
 なお、1工事あたり3,000m2以下の場合(維持工事を除く)は、1工事あたり3孔以上で測定する。

つまり

・0~3000m2     =3孔以上
・3001~10000m2 =10孔
・10001m2以上    =10孔+α(アルファ) ※

※α(アルファ)は、10000m2毎に10孔追加

注意
・測定箇所は均等になるように設定すること

国土交通省品質管理基準 道路土工 路体・路床の頻度の考え方

路体の場合、1,000m3につき1回の割合で行う。ただし、5,000m3未満の工事は、1工事当たり3回以上。
路床及び構造物取付け部の場合、500m3につき1回の割合で行う。ただし、1,500m3未満の工事は1工事当たり3回以上。
1回の試験につき3孔で測定し、3孔の最低値で判定を行う。

つまり

路体の頻度

1000m3ごとに1回

0~4999m3 =3回以上×3孔=9孔以上
5000以上   =3回以上+α ※

※ αは1000m3ごとに1回追加

路床及び構造物取付け部の頻度

500m3ごとに1回

0~1499m3=3回以上×3孔=9孔以上
1500以上  =3回以上+α ※

※ αは500m3ごとに1回追加

現場密度試験の頻度のまとめ

いかがでしたでしょうか?

現場密度試験の頻度の考え方について理解が深まりましたか?

現場密度試験の頻度は、発注者ごとの品質管理基準で異なる場合があります。

従って、工事に対応する品質管理基準と照らし合わせて、適切に判断ください。

今後も、皆さまのお仕事のお役に立つ記事を書いていきたいと思います。

ご覧いただき、ありがとうございました。

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