現場密度試験をやったけど、試験結果を計算できない。
計算はしたけど、本当にこの計算方法であってる?
どこか変なところがあったらどうしよう?
ネットで調べてみたけど、エクセルの計算があっているのかよく分からない。
こういった不安や疑問に答える記事です。
本記事で分かる事は以下のとおり。
- 現場密度試験結果の見方が分かる。
- 現場密度試験の結果を計算できる。
本記事は、現役の現場密度試験技術者が書いています。
本記事の図や表は、舗装調査試験法便覧から引用しています。
公益社団法人日本道路協会 舗装調査・試験法便覧(平成31年版)
目次
現場密度試験(砂置換法)の計算方法【計算例も解説】
現場密度試験(砂置換法)データの見方
まずは、現場密度試験のデータの見方から理解しましょう。
下のデータをご覧ください。
現場密度試験は、【3つのポイント】からできています。
- 堀った穴の体積と質量を求める。
- 含水比を求める。
- 締固め度を求める。
堀った穴の体積と質量を求める。
現場密度試験は、堀った穴の体積と質量を求めます。
掘った穴の体積は、デコボコしていますので正確に計測することは難しいです。
そこで現場密度試験は、堀った穴の体積を求めるために砂を使用します。
砂の密度は、概ね1.3~1.6g/cm3です。
密度は、1立方センチメートルの内、何gか?という事です。
つまり砂が何gか分かれば、体積も分かるということ。
現場で使用する砂は、事前のキャリブレーション(検定・校正)で試験用砂の乾燥密度を決定しておきます。
例えば、砂が1.376gの時は、体積は1cm3になる。と分かっていれば、質量を計測する事で体積を図る(置換)することができます。
質量は、質量計を使用するだけですので簡単に計測できます。(いわゆる重さをはかるだけです。)
含水比を求める。
含水比は、土の中にある水の質量と、土粒子の質量を比べた時の数値です。
計算式は以下の通り。
水の質量÷土粒子の質量×100=含水比(%)
含水比を求めておく事で、湿潤土の乾燥質量を計算できます。
現場の土の締固め度を求める。
現場の土の締固め度は、現場密度試験で求めた乾燥密度と、室内土質試験で求めた最大乾燥密度を比べます。
計算方法は以下の通り。
現場密度試験で求めた乾燥密度(g/cm3)÷室内土質試験で求めた最大乾燥密度(g/cm3)×100= 〇〇(%)
現場密度試験【砂置換法】の具体的な計算例
【計算】試験孔の体積を求める。
データシートの順に計算をします。
①容器質量 762.4g
②(試験孔から取り出した湿潤土+容器)質量 3185.7g
③試験孔から取り出した湿潤土の質量 ②-①=3185.7-762.4=2423.3g
④(試験孔から取り出した土の乾燥+容器)質量 2963.5g=⑮
⑤試験孔から取り出した土の炉乾燥質量 ④-①=2963.5-762.4=2201.1g
⑥ジャーとピクノメータートップに砂を満たした質量 7623.5g
⑦測定器と残った砂の質量 4689.3g
⑧試験孔および漏斗(ロート)とベースプレートに入った砂の質量
⑧=⑥-⑦=7623.5-4689.3=2934.2g
⑨試験孔を満たすのに必要な砂の質量
⑨=⑧-C=2934.2-1314.7=1619.5
⑩試験孔の体積 ⑨÷A=1619.5÷1.376=1176.96≒1177.0cm3
これで試験孔の体積を計算できました。
【計算】含水比を求める。
⑭ ma ⑭=②=3185.7
⑭と②は同じ数値です。
つまり、湿潤土と容器の質量を合計した数値です。
⑮ mb ⑮=④=2963.5
⑮と④は同じ数値です。
つまり、乾燥土と容器の質量を合計した数値です。
⑯ mc ⑯=①762.4
⑯と①は同じ数値です。
つまり容器の質量のことです。
⑰ w 含水比(%)
⑭-⑮÷⑮-⑯×100=(3185.7-2963.5)÷(2963.5-762.4)=10.1
つまり、水の質量÷乾燥土の質量×100=含水比(%)です。
【計算】締固め度を求める。
⑪ 湿潤密度
③÷⑩=2423.3÷1177.0=2.058.87≒2.059 (g/cm3)
⑫ 乾燥密度
⑪÷(1+⑰/100)=2.059÷1.101=1.87011≒1.870 (g/cm3)
⑬ 締固め度
⑫÷B×100=1.870÷1.910×100=97.9 (%)
B=試料の最大乾燥密度=1.910 (g/cm3)
まとめ
いかがでしたか?
現場密度試験(砂置換法)の計算方法が理解いただけたでしょうか?
今後とも、地盤調査に関する記事を書いていきます。
少しでも皆様のお仕事のお役に立てれば幸いです。
Is maximum dry density of sample always 1.910g/cm3?What is the meaning of the C value?
Q1、サンプルの最大乾燥密度は常に 1.910g/cm3 ですか?
A、各材料によって最大乾燥密度は異なります。最大乾燥密度は、締固め試験により求められます。
Q1, Is the maximum dry density of the sample always 1.910g/cm3?
A: The maximum dry density varies depending on each material. Maximum dry density is determined by compaction test.
Q2、C 値の意味は何ですか?
A、Cは、「漏斗とベースプレートを満たすのに必要な砂の質量」です。⑧-Cをする事で、「試験孔を満たすのに必要な砂の質量」が求められます。⑨の下の画像をご覧いただければと思います。
Q2. What is the meaning of C value?
A, C are the “mass of sand required to fill the funnel and base plate”. By performing ⑧-C, the “mass of sand required to fill the test hole” can be determined. Please take a look at the image below ⑨.